平川祐樹

プログラム

  • 平川祐樹《TWENTY FIVE THOUSAND YEARS TO TRAP A SHADOW》2021

  • 平川祐樹《TWENTY FIVE THOUSAND YEARS TO TRAP A SHADOW》2021

  • 平川祐樹《a film by #T.H. 1929 #Unknown 1926-1927 #Unknown 1928-1930》2021

  • 平川祐樹《a film by #T.H. 1929 #Unknown 1926-1927 #Unknown 1928-1930》2021

展示〈熱田・宮の渡しエリア〉

TWENTY FIVE THOUSAND YEARS TO TRAP A SHADOW

会場:
宮の渡し公園

制作年:2021
素材・技法:ネオン管

a film by
#T.H. 1929 #Unknown 1926-1927 #Unknown 1928-1930

会場:
丹羽家住宅(旧伊勢久)

制作年:2021
素材・技法:Full HD(オリジナル4K)
石膏像制作:尾﨑遥

アクセス

宮の渡し公園の船着場址には、1930年代に書かれた映像史に関する未完の書物のタイトルをネオン管で形成し、かつて海であった場所の水平線をなぞるように展示。丹⽻家住宅(旧伊勢久)内には⾏⽅不明となっている戦前の⽇本映画のシーンを再現した映像作品をその場に呼応するよう展示。消失した場所やフィルムの時間が、詩的な表現で呼びおこされ、見る者の想像をかき立てる。

アーティスト・ステートメント

今は見えなくなった水平線をトレースしている。
ネオン管で形作られた「TWENTY FIVE THOUSAND YEARS TO TRAP A SHADOW(影をとらえるための2万5000年)」という言葉は、1930年代に書かれた未完の書物のタイトルである。映画史家であったウィル・デイ(Will Day=Wilfred Ernest Lytton Day: 1873-1936)によって書かれ、洞窟壁画から映画の誕生までの歴史を網羅した意欲的な内容だったが完成することはなかった。いわばこの場所とは全く関係のない異物を持ち込み、光として提示することにより、そこに新たな景色を立ち上げていた。

丹羽家住宅内に設置したテレビモニター上に映し出されている映像は、行方不明となっている戦前日本映画のシーンを再現している。現存する記録写真からそれらの映画セットを再現し、撮影を行った。映像に現れるシーンは、日本家屋の室内や軒先など、どことなくこの建物と関連するものを選んでおり、そこに新たな関係性を創出している。

アーティスト

平川祐樹

映像インスタレーション

1983年愛知県名古屋市生まれ、愛知県在住。メディア考古学的な視点を通して、場所や物質に宿る時間を即物的に呈示する映像作家。近年では、物質の燃焼や蒸留、浄化といった錬金術的手法を使い、古い映画フィルムから銀を抽出したり、フィルムの灰を平面と置き換える作品を制作している。《Lost Films》シリーズ(2017〜)が国内外で高く評価され、2019年に「ロッテルダム国際映画祭」(オランダ)、「オーバーハウゼン国際短編映画祭」(ドイツ)、「ショートウェーブス映像祭」(ポーランド)などで招待上映された。主な展覧会に「台北デジタル・アート・フェスティバル」(2017)、「19th DOMANI・明日展」(国立新美術館、東京、2016)、「札幌国際芸術祭2014」「あいちトリエンナーレ2013」など。