人長果月

プログラム

人長果月《biosphere −Kurokawa》2022

展示〈納屋橋〉

《biosphere −Kurokawa》2022

会場:
シャムズガーデン
観覧時間:
⽇没-20:00

アクセス

ステートメント

堀川を知ろうと上流から眺め始めた。通称の黒川は土木技師の名が由来と知り、人工の運河として役立てられてきた長い歴史を感じた。納屋橋から静かな水面を眺めていると、今まで止まっていたと思っていた水面がすうっと逆流し始めた。海のない町で生まれ育った私には川が逆流するという現象が新鮮だ。元々は海だった場所に名残を惜しんで毎日、海が戻ってきて挨拶しているかのようだ。熱田神宮で樹齢1000年を越す大楠を眺めた。この木は今は見えなくなってしまった海を覚えているだろうか。人が作り出すものと自然が創り出すものの境がこの川に映し出されていくようだ。

biosphere –Kurokawa Sound
https://youtu.be/CL-GAvnLFcQ
サウンド:二瓶晃

アーティスト

人長果月

美術家。京都府生まれ。1990年代後半よりデジタル技術を用いた映像作品の制作を始め、2000年からは、映像にコンピューターやセンサー技術を組み合わせた双方向性を持ったインスタレーションを制作。近年は植物や微生物などを実地で撮影することでもたらされる微細な感覚をもとに、自然界の複雑な在りようを、光・音、鑑賞者の振る舞いによって創出することを試みている。主な展覧会に「Kyoto Art for Tomorrow 2022-京都府新鋭選抜展-」(京都文化博物館別館ホール、2022)、「KYOTO STEAM-世界文化交流祭-アート×サイエンス IN 京都市動物園 アートで感じる?チンパンジーの気持ち」(京都市動物園、2019/2020)、「再生の庭」(藝倉美術館、2017)、「消滅の夢」(ベラクルス州立大学、2016)など。2022年京都府文化賞奨励賞。