国際若手デザイナーワークショップ2010

デザインで気づく名古屋がある

国際若手デザイナーワークショップ2010
Cチーム

私たちの暮らすまち、デザイン都市なごやをどうしたらより豊かにイメージできるだろう?その豊かなイメージは、どうしたらリアルな日々を豊かにするだろう?
都市を構成する様々なレイヤーと切り口…地理、時間、エリアの特色。表と裏。フローする情報とストックされる情報。
多様な視点で街を眺めてみると、都市の過去と現在が重なり、この場所とあの場所が響き合う事に気づくはず。

今、この街で自分が一番伝えたいことは何か、そこで共感できるものは何か。縦と横のフィールドワークを通じて、なごやという都市に奥深く潜んでいる DNAを探るとともに、「このまちを共有する」しくみをデザインする。

vitamin N

vitamin N

ビタミンNとは、名古屋が好きになる、名古屋が元気になる、名古屋が素敵になるサプリである。N1からN5までの5種類があり、名古屋市内各地にそれらは投与される。投与された各サイトにおいて、人々は名古屋の過去~現在~未来の様々なレイヤーを体験する事ができる。各サイトの映像は、名古屋城近くのスペースに設置された巨大なバルーンスクリーンに、内部のLEDによって投影される。

vitamin N1 「NAGOYA TREE」
その年に名古屋で生まれた赤ちゃん、結婚した人、亡くなった人の家族が、テレビ塔の下にツタの苗を植える。苗の色は年ごとに異なり、色の層をつくりあげる。脈々と続く名古屋という文脈の中に自分たちが混ざり、そのつながりを目に見える形で共有する。

vitamin N2 「NAGOYA TALES」
名古屋の発展には、江戸時代の堀川を中心とした発展と、広小路通や大津通などの大通りを中心とした発展の2種類がある。過去と未来のイメージを今のまちにプロジェクションすることで、この2つのラインが平行して存在し、未来に向かってゆくというイメージを具現化する。

vitamin N3 「NAGOYA CLOCK」
様々な名古屋の風景を集めて時計を作り、まちの様子や人々の動きをリアルタイムに映す。新たな名古屋の発見と、そのつながりを知ることが可能である。また、この時計には市民の想いや言葉が送られ、明るい未来のイメージも刻んでゆく。

vitamin N4 「NAGOYA ORGEL」
交通道路のオービスなどのセンサを使って道路の状況を捉え、五線譜へと置き換えてゆくことで、名古屋のまちそのものを楽器にする。車線の多い名古屋の道路からくる混乱を、調和へと転換する。

vitamin N5 「MOTION-E-MOTION」
乗客の気持ちの動きを映し出すLEDモニターを新幹線の内側と外側にはりつけ、車内外で乗客の気持ちを共有することで、共感の和を広げる。

フィールドワーク

ディレクター
ガラ・フェルナンデス

ガラ・フェルナンデス
デザイナー

1969年生まれ。マドリード・コンプルテンセ大学にて、アート&デザインを学び、イステュート・エウロぺオ・ディ・デザイン(デザイン専門校) ミラノ校で、インダストリアルデザインを専攻。
1995年以来、イステュート・エウロぺオ・ディ・デザインのマドリッド校で教鞭を執り現在に至る。
2000年から2004年まで、ベネトン・グループが主宰するコミュニケーション・リサーチ・センター「ファブリカ」で、ハイメ・アジョンと共にデザイン部門をコーディネート。同期間中、ボローニャとリスボンの「ファブリカ・フィーチャーズ」(パリ、イスタンブール、ボローニャ、リスボン、香港などにあるファブリカのコマーシャル・文化スペースのネットワーク)の主任を務める。
現在、マドリッドで、スタジオ「GalaFM」を主宰。キュレーターとしての活動やインテリア・プロダクトデザイン、グラフィックデザインとして制作、販売、あるいは出版といった多様なサービスを提供しながら、アートとデザインの分野で幅広く活躍している。「ラ・ペルマネンテ・デザインギャラリー」を経営。また、イステュート・エウロぺオ・ディ・デザイン・マドリッド校の「ヨーロピアン・デザイン研究室」のコーディネーターであり、フランス田園地帯の農場ブワブシェでヴィトラミュージアムとポンピドゥセンターの協力によって開催される夏期デザインワークショップの責任者でもある。

北川啓介

北川 啓介
名古屋工業大学 大学院工学研究科 准教授

1974年3月26日名古屋市内の和菓子屋生まれ。建築家、研究者。専門は、建築設計計画、建築意匠、現代建築、都市計画、情報空間論、サブカル論、ナゴヤ論。1996年国立名古屋工業大学工学部卒業。1999年ライザー+ウメモト事務所など。2001年同大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。同大学大学院助手、講師、助教授を経て、現在、国立大学法人名古屋工業大学大学院工学研究科准教授、名工大ラジオ局長。論文=『映画の中の都市と建築』、『和菓子と建築』など。報文=『マンガ喫茶白書 社会問題に先行するひとり一畳の聖域』(日本建築学会建築雑誌、2008年4月号)、『もうひとつの建築設計資料集成』(日本建築学会建築雑誌、2009年12月号)など。著書=『ハイパーサーフェスのデザインと技術』(彰国社、2005年)など。受賞=日本建築学会東海賞、名古屋市都市景観賞など。

東泉一郎

東泉 一郎
デザイナー/クリエイティブディレクター

東京生まれ。理工学を学んだのち、現場労働などを経てグラフィックデザイナーに。以後、映像、プロダクト・デザイン、WEBプロジェクト、空間デザイン、演出などを手掛ける。
1997年アルスエレクトロニカでゴールデン・ニカを受賞した"Sensorium project"のディレクターとして、世界各地で実験的インスタレーションを行うほか、日本科学未来館のための展示コンセプトデザイン、2002 FIFA World Cupのための演出コンセプトワークなどストリートや音楽に根ざしたグラフィックから、トータルなコンセプトデザインまでを往き来しつつ、「はじめてつくるもの」をつくるために働く。速いもの高いところ好き。

安藤 真澄

安藤 真澄
(株)電通 中部支社 ソリューション企画局次長

入社以来、企画開発、海外事業戦略、経営戦略、マーケティング部門を歩む。ブランド戦略立案、CSR戦略立案、スペースデザイン領域でのコンセプトプランニングが専門。
電通モスクワ事務所初代駐在(日本の広告会社初)としてソ連崩壊時の激変を体験。
名古屋関連プロジェクトでは1989年の世界デザイン博覧会の基本構想立案を担当。
名古屋大学招へい教員。

メンバー

阿部 優里
名古屋芸術大学

イゴール・カーリー
スプリト大学
アカデミー・オブ・アート

板頭 優佑
名城大学大学院

劉 陽陽
名古屋工業大学

佐藤 絢香
豊田合成株式会社

渡辺 悠平
名古屋大学大学院

プレゼンテーション