イベント概要

イベント名

streaming heritage 2021 autumn
ストリーミング・ヘリテージ|台地と海のあいだ

ステートメント

名古屋台地と熱田台地のへりには、文化資源や観光資源がたくさんあります。名古屋城から納屋橋を経て宮の渡し、さらには名古屋港まで。これらの資源をひと続きに結んでいるのが堀川の流れ [stream] です。そこに現代アートが光をあて、名古屋の歴史・文化遺産 [heritage] をリアルタイムに再生 [streaming] する。それがストリーミング・ヘリテージの試みです。この流れは名古屋城を起点に電車でたどれば陶磁器の産地瀬戸にまで至ります。

他方で、ものづくり王国名古屋、同じ台地と海のあいだに根づいたデジタルメディア文化の流れ—名古屋城・白鳥公園・名古屋港を会場とした世界デザイン博に始まり、名古屋国際ビエンナーレ、artport /MEDIASELECT、電子芸術国際会議、世界グラフィックデザイン会議・名古屋「Visualogue」、ユネスコ創造都市への加盟と続く—の再生でもあります。

アーティストによるインスタレーション、識者を招いて行うトーク、最先端技術を用いたパフォーマンスなどを通し、歴史と現在をインタラクトさせ、名古屋独自の文化芸術の魅力を世界に向けて発信する。それにより、社会経済活動再活性化へのきっかけにつながることを目指しています。

会期

2021年11月12日(金)〜11月28日(日)
※原則として期間中の金・土・日・祝に開催
開催時間 11:00-20:00

会場

名古屋城エリア(名古屋能楽堂・四間道)
納屋橋エリア
熱田・宮の渡しエリア

主催

なごや日本博事業実行委員会

[構成団体]
名古屋市、ユネスコ・デザイン都市なごや推進事業実行委員会、公益財団法人名古屋まちづくり公社、名古屋商工会議所、中日新聞社

助成

令和3年度 日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業(文化庁)

機材協力

情報科学芸術大学院大学[IAMAS]
名古屋学芸大学

お問合せ

ユネスコ・デザイン都市なごや推進事業実行委員会 事務局
〒460-8508 
名古屋市中区三の丸三丁目1番1号
名古屋市観光文化交流局文化歴史まちづくり部文化芸術推進課
TEL:052-972-3172
FAX:052-972-4128

企画背景

【メディア=コンシャス/メディアへの意識】

ストリーミング・ヘリテージ(遺産再生)。その背景にあるのが、「メディア=コンシャス」という考え方です。メディアとは媒介、すなわち「何かと何かをつなぐもの」ですが、そうしたメディアを意識することが、「メディア=コンシャス」です。ではなぜそれが重要なのでしょうか?

【堀川こそメディアである】

それは、堀川こそ、名古屋城と港をつなぐメディアであり、このメディアこそ、名古屋というまちの原点だからです。堀川を意識することが、名古屋の歴史とその魅力を再生する第一歩になります。

【アートによる再生】

またここに、なぜアートなのか?という問いへの答えもあります。なぜなら、アートはつねに、メディアとの距離に自覚的だからです。わたしたちの生活に浸透し見えなくなっているさまざまなメディアを意識させ、それを感覚できるものにする。それこそが、メディア=コンシャスなアートのひとつの役割なのです。

【もうひとつの遺産再生:メディア=コンシャスなアーカイブの構築へ】

ストリーミング・ヘリテージでは、名古屋城と港のあいだに生まれたもうひとつの遺産、すなわちメディア・デザインとメディア・アートの遺産の再生も目指します。1989年の世界デザイン博以降現在まで続くその歴史をアーカイブ化し、ものづくりのまちに根づいたデザインとアートの流れを再生します。

企画体制

ディレクター

秋庭史典

名古屋大学大学院情報学研究科教授。専門は美学・芸術学。博士(文学)。著書に『絵の幸福—シタラトモアキ論』(みすず書房、2020)、『あたらしい美学をつくる』(みすず書房、2011)。分担執筆に『美学の事典』(丸善、2020)、『人工知能学大事典』(共立出版、2017)。共著に『食(メシ)の記号論』(日本記号学会編, 新曜社、2020)、『人工知能美学芸術展 記録集』(人工知能美学芸術研究会、2019)など。訳書にリチャード・シュスターマン『ポピュラー芸術の美学—プラグマティズムの立場から』(勁草書房、1999)などがある。美学会委員、日本記号学会理事、日本触覚学会世話人、文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員。

河村陽介

情報メディアを用いたインタラクティブ作品の制作やワークショップ企画などを行う。近年はプロジェクト型の企画を多く手がけており、2005年から主宰する移動型ラボ「MOBIUM」では、「shoboshobo 2005」「MOBIUM TOUR 2019 移動する研究室」「TOYOTA HACK CAMP」などを企画。2011年から主宰する「NODE-Lab」では、ワークショッププログラム「WORKSHOP SHOWCASE」日韓交流事業「CONSONARE」などを企画。あいちトリエンナーレ2016では参加型の作品制作プロジェクト「Locus Faber Tsukulocca」のプロジェクトリーダーを務めた。

伏木 啓

時間意識における線形性と非線形性の重なりを主題として、複数のメディアを扱ったパフォーマンス / 舞台作品や、特定の場所の歴史的、空間的特徴にアプローチした映像インスタレーションなどを制作している。2006年~08年まで、DAAD (Deutsche Akademische Austauschdienst /ドイツ学術交流会) 奨学金を受賞しドイツに滞在、Bauhaus-Universität Weimar (バウハウス大学ワイマール) MFA課程を修了。京都市立芸術大学大学院博士(後期)課程 満期退学。現在、名古屋学芸大学メディア造形学部 教授。
近年は、美術家、音楽家、ピアニスト、ダンサー、照明デザイナー、舞台エンジニアなどとの協働による舞台作品『The Other Side』(2019〜現在)を演出し、コロナ禍以降の舞台上演の方法を模索している。

山田 亘

1964年名古屋市生まれ。1993年米国Ohio University大学院 MFA(写真)。
PAC代表。長者町スクール・オブ・アーツ代表。アートセンター[Yojo-Han]ディレクター。写真作品の他、媒体の有り方を意識した作品を発表、特に新聞等の紙媒体の仕組みや位置づけをベースにしたプロジェクト作品に注力。あいちトリエンナーレ2016 国際展作家。国内外でアートプロジェクト、展覧会、レクチャーなどを展開。 ヒューストン国際写真祭(1994)、第2回サンパウロ国際写真ミーティング(1995)[MEDIALOGUE] 東京都写真美術館(1998)、[シンガポール国際写真フェスティバル](2008)、DMY International Design Festival ドイツ(2011)、サンティティエンヌ国際デザインビエンナーレ(2013)、セルビア国際写真フェスティバル(2016)、[大愛知なるへそ新聞社]プロジェクト、グラーツ国際デザインフェスティバル オーストリア(2019)、[ART FARMing] 愛知(2019)、[ART FARMing TV] ディレクション(2020-現在)

プログラムディレクター

江坂恵里子

ユネスコ・デザイン都市なごや推進事業実行委員会 プログラム・ディレクター/名古屋市観光文化交流局文化振興室国際交流専門員(文化振興)
国際デザインセンターで海外ネットワークディレクターとして、国際交流事業や若手クリエイター育成プロジェクトやフォーラム・展覧会を企画・運営。2009年より名古屋市のユネスコ創造都市ネットワークデザイン都市推進事業を担当。2016年より現職。

メインビジュアル

服部一成

グラフィックデザイナー
1964年東京生まれ。1988年東京芸術大学美術学部デザイン科卒業、ライトパブリシテイ入社。2001年よりフリーランス。主な仕事に、「キユーピーハーフ」「JR東日本」の広告、雑誌『流行通信』『here and there』『真夜中』のアートディレクション、エルメスのイベント「petit hのオブジェたち」の会場デザインや「夢のかたち Hermès Bespoke Objects」のグラフィック、「三菱一号館美術館」「新潟市美術館」「弘前れんが倉庫美術館」のVI計画、「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」「ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー」などの展覧会のポスター・告知物・図録、ロックバンド「くるり」のアートワーク、『プチ・ロワイヤル仏和辞典』などのブックデザインがある。毎日デザイン賞、亀倉雄策賞、東京ADC賞、東京TDCグランプリなどを受賞。

アドバイザー

竹中克行

愛知県立大学|地理学
地中海都市を対象とするフィールド調査と理論研究を下敷きに、日本国内での応用的な都市研究を手掛ける。名古屋・中川運河再生運動へのかかわりをきっかけに、地域の「らしさ」を可視化するための空間コード研究を提案。主な著書に、『地中海都市―人と都市のコミュニケーション』(東京大学出版会、2021)、『空間コードから共創する中川運河―「らしさ」のある都市づくり』(鹿島出版会、2016、編著)など。

茂登山清文

名古屋芸術大学|視覚文化
建築を京都大学で学んだ後、1998年まで名古屋芸術大学美術学部造形実験コースで、2016年まで名古屋大学大学院情報科学研究科と情報文化学部で、研究・教育にはげんだ。2017年より「何者にもなれる君へ。」をキャッチフレーズに開設された芸術教養領域リベラルアーツコースに所属。教養と芸術とが交差する、これまで芸大にはなかったジェネラリスト教育を組み上げる。愛知県児童総合センター「汗かくメディア」、名古屋都市センター「ARToC10」などのプロジェクトにかかわっている。

ヒストリー・リサーチ(メディア=コンシャス)

吉川 遼

名古屋文理大学情報メディア学科助教、修士(学際情報学)。専門は教育工学、ヒューマンインタフェース・インタラクション。人工物を媒介とした学習環境デザインならびに情報デザインに関する研究・実践、ならびにアートアーカイブの創作活動への活用に関する研究をすすめている。

制作チーム

ウェブデザイン

石井喜博(temple)

地図制作

[イラストレーション]クレメンス・メッツラー
[グラフィックデザイン]長尾訓寿

記録映像

伏木 啓 + Tenderworks

写真撮影

山田 亘
なごや日本博事業実行委員会

事務局

甘利あゆ
池田ちか
伊藤仁美
大野高輝
落合もも花
笹田理恵
中島ふみえ
目黒瑞季

広報

市川靖子(株式会社いろいろ)